『ペットロスは克服できる?立ち直れない時は?【体験談】』
こんにちは、ハヤトです。
SNSやpodcastではお話ししていましたが、昨年10月に我が家の愛猫しずくが亡くなりました。
突然のことだったので、その分ショックが大きく、とても辛い経験でした。
しばらくは、このペットロスのこと、その時の気持ちを冷静に文字にまとめるのは難しかったのですが、4ヶ月ほど経って少しは落ち着いてきたので、僕自身の気持ちを記録するという意味でもここで書いておきたいと思います。
この記事が、同じような経験をされた方、もしくは現在ペットと暮らしていてペットロスを怖いと感じている方へ届けば良いなと思っています。
今回の記事では、
ペットロスとは克服できるものなのか、立ち直れない時はどうしたらいいのかについてお話ししていきたいと思います。
- 初めてペットロスを経験して何も手につかないほど辛い…
- ペットロスの克服方法をしりたい…
- ペットと暮らしているけれどペットロスが怖い
そんな方には参考にしていただけるかと思います。
愛猫しずくは我が家の天使でした
ペットロスについてお話しする前に、我が家の愛猫しずくについてお話しさせてください。
しずくは2016年6月に当時一人暮らしだった僕の家にやってきました。

最寄り駅から家までの帰り道を歩いていた時に、道の脇の生垣から子猫の鳴き声が「ニャーニャー」と。
一旦は家まで帰ったものの、気になって引き返し、その場で保護。
生後1ヶ月ほどだったので最初は家中を飛び跳ねるように駆け回るやんちゃ坊主でした。
イヤホンは噛みちぎる、ティッシュはケースから引っ張り出して八つ裂き、食べたこともないはずなのに唐揚げを盗む…先住猫のチャコがおっとりしているだけに驚きの連続でした。
大きくなってからもいたずらっ子は健在。僕が育てていた観葉植物(猫が食べても大丈夫なやつ)を散々食べたり、おもちゃ箱からおもちゃを引き摺り出して夜中にずっと駆け回っていたり。
女の子だったんですけどね(笑)

それでもしずくは我が家の天使でした。
よく妻と冗談で
「しずくは神に認められた天使なんだって(笑)」
なんて会話をしていました。
歳上で体格も大きい先住猫のチャコが面倒をみていたからか、鳴き声も性格もずっと子猫のようなままでした。
ペット親バカではないですが、本当にその鳴き声が可愛かったです。
ペットロスは突然やってくる

しずくに異常が…
そんなしずくが2022年の春ぐらいから、時々おかしい歩き方をするようになりました。
前脚を地面につけないような動きで、最初は脚を痛めたのかなと思っていたのですが、しばらくすると普通に走ったりしていたので不思議に思っていました。
もちろん病院にも連れていったのですが、やはり脚自体が痛い様子はないとのことで、
脳か神経系になにか異常が起きているのかも知れない、精密検査を受けてみては?
と先生からお話をいただきました。
精密検査の結果…
おかしい歩き方も毎日するわけではなく、月に1,2回あるかないかぐらいだったので、全身麻酔の検査を受けさせるべきなのかどうなのか迷いましたが、何かあってからでは遅いと検査を受けにいくことに。
血液検査に加えて、MRIやCT、骨髄液検査。総額15万円ほど。(ペット保険に入っていてよかったです。)
それでも異常は見つかりませんでした。
となると、診断されるのは「てんかん」です。人間にもある「てんかん」ですが、どうやら猫にもあるようで、突然痙攣したり、硬直したりしてしまうようです。
治療方法としては投薬のみ。しかも「てんかん」が治るというよりも、その頻度を減らせるという治療法。お薬も飲み続ける必要があり、それ自体が体の負担になる可能性もあります。
当時のしずくは歩き方が変になることはあるものの、頻度も少なく、そこまで深刻な発作が起きていなかったので、先生にもアドバイスを受けて投薬は見送りました。
その後さらに発作の頻度は減少し、
「そういえばしずく変な歩き方しなくなったね。」
と話していたほどでした。
予期せぬ別れ
しかし、別れの日は突然訪れます。
その日は日曜日だったので夫婦で昼間外出をしていました。帰ってきて、僕がお風呂からあがったときに妻が
「しずくがおかしい」
と少し慌てた感じで言ってきました。
見たところ、舌を出して呼吸が荒い状態。
熱中症などで猫が舌を出して呼吸するのは危険というのを知っていたので、すぐさま病院へ電話。すでに時間外でしたが深夜でも出てくださる病院なので先生とお話しできました。
様子を伝えたところ、
おそらく「てんかん」の発作なので少し様子を見てみてください。続くようであれば診察した方がいいのでまたお電話ください。
というお話でした。
実は数ヶ月前にも咽せるような発作が1晩中続いたことがあり、その時は朝方には元気な様子に戻っていたので、僕たちも治るものだと思っていました。
ただその日の発作はずっと治らず。苦しさが増すように見えたので、再び病院に電話をしましたが繋がらず…(後から聞いたところ他の子の手術中だったそう)
「息してる…??」
暴れるような発作の後、ぐったりして声を上げなくなったしずくをみて妻がこう言った瞬間は今でも忘れられません。
慌てて病院へ走って連れていったものの、息を吹き返すことはありませんでした。
想像していなかった最期
いつかペットロスが来るというのは分かっていても、こんな最期になるとは想像もしていませんでした。
よく話で聞くように、飼い主の帰宅まで旅立つのを待ってくれるとか、最期の瞬間は膝に乗ってきてくれるとか、そんな別れを想像してしまっていました。
でも実際は、昨日まで元気にしていた愛猫が、苦しむ様子をただ見守ることしかできなくて、なんなら興奮させないようにと少し離れることまでして、最期に撫でてやることも、声をかけてやることも、抱いてやることもできませんでした。
6年間。一人暮らしで辛い時も、結婚してから夫婦で悩んでいるときも、そばでいつも癒しと笑いをくれる、天使でした。
今でも、なんでこんなに突然…という思いはあります。
ペットだけでなく人との別れもそうですが、必ずしも最期を予測できるわけではないんですよね。
今、ペットと暮らす方は、いつその日が来ても悔いがないように、毎日愛情を注いであげてください。
ペットロスの感情の流れ

さてここからはこの経験を踏まえながら『ペットロス』について考えていきたいと思います。
ペットロス、つまりペットを失うという出来事が起こると、人間にはさまざまな感情が湧き起こると言われています。
それは主に「否認」「怒り(罪悪感)」「取引」「抑うつ」「受容」といわれ、実際にこの順番で沸き起こります。
ペットロスはとても辛い問題ですが、まずは自分に起こる感情を知るということも気持ちを落ち着かせる方法だと思います。
否認
「否認」とはつまり現実逃避です。
ペットが亡くなったという事実に対して、「そんなことは起きていない」「きっと生き返るはず」などと否定をして自己防衛しようとします。
僕自身は完全な「否認」はありませんでしたが、「きっとしずくはそばにいてくれる」「そのうち生まれ変わって帰ってくる」などという感情はありました。
特に、妻といる時は強がりでなのか、そういう言葉を口にすることが多かったように思います。
まさに自己防衛ですね。悲しい事実を受け入れたくないがために、希望的なことを考えていました。
怒り(罪悪感)
ペットロスで起きる「怒り」は主に獣医師、死の要因(事故など)をつくってしまった人物、自分(罪悪感)、病気、ペット自身に向けられるそうです。
僕の場合、病院の先生に対しては「怒り」はありませんでした。
たしかに、「最初の段階で診察してもらえていれば…」とか「早く2度目の電話に出てくれていれば…」というのは考えないこともありません。
でも、これまでも夜中に何度も電話をかけて、出てくださった先生です。
チャコを連れていった時もしずくの心配をしてくれていたり、「迷わず電話してきてくださってありがとうございます。」と言っていただいたこともあります。
その先生を悪く思うのはあまりにも身勝手に思えましたし、そういう感情はほとんど湧き起こりませんでした。
むしろあったのは自分に対しての「怒り(罪悪感)」でした。
「あの時、他の救急外来を探していれば…」「投薬治療を選択していれば…」などなど。
もっとできることがあったはずなのに、助けてあげられなかったという感情が毎日毎日頭の中を巡っていたのを覚えています。
取引
「取引」とは「神様おねがい、生き返らせて」と神様にお願いしたり、「これからはもっと一緒にいるから、生き返って!」とペット自身にお願いしたりする感情らしいです。
この感情は僕自身はなかったかなと思います。
冷めたように聞こえるかもしれませんが、そう願ったところで生き返ることはないと思っていたからかもしれません。
むしろ叶わないことを願って悲しみが増大するのを防ごうとしていたんだと思います。
抑うつ
「抑うつ」は無気力状態になったり、強い悲しみに浸り、情緒的に麻痺してしまうことを言います。
ペットの死というショックな出来事を受けて、何も手につかない、食欲もわかないという感じでしょうか。
僕自身も1日中ではないですが、数日間はぼーっとしてしまうことがあった気がします。そうしているうちに色々と考えてしまい、先ほどお話しした「罪悪感」に押しつぶされそうになることも…。
特に翌日は何も出来ず、何も食べられずでした。夫婦でゼリー系飲料を飲んでいましたね。
こんな辛いことがあっても世界は何事もなかったように回るんだなぁと思ったのを覚えています。
受容
最後の「受容」はペットの死を少しずつ受け入れていくことです。
この「受容」の期間は人によってことなり、数日から数ヶ月とさまざまのようですが、平均は10ヶ月とも言われています。
あくまでも少しずつですので、一気に受け入れる、というわけではありません。
悲しみや苦しみも感じながら少しずつ死を受け入れていくというイメージかと思います。
それぞれの感情は混ざって訪れる
というわけで、ペットロスの際に感じる5つの感情についてお話ししたのですが、僕の体感ではこの5つの感情は混ざり合いながら訪れるものではないかなと思います。
基本的にはお話しした順番で訪れるみたいですが、「抑うつ」状態にありながら「罪悪感」を感じたり、「受容」が始まっていても「否認」の感情が沸き起こったり。
必ずしも1つずつ訪れるわけではなかったので、少し時間が経ってから1つ目の「否認」を感じているからと言って逆戻りしてる、なんてこともないはずです。
5つの感情を把握しつつも少しずつ変わってきているな、受け入れが進んできているなというのを感じられればそれで十分かと思います。
ペットロスは克服できる?

僕自身は想像していた以上にペットロスで辛さを感じました。
毎日家で仕事をしているということもあって、日中は家に一人ですし、「この時間はしずくあそこにいたな」とか「ご飯食べて甘えに来る頃かな」とか、嫌でもしずくがいないことを思い知らされました。
かといって出掛けてしまうと、もう1匹のチャコが一人ぼっちになってしまうので、結局ただ耐えるしかありません。
そんなとき「ペットロス 克服」とネットで検索したのを覚えています。
ただ「新しい子を迎える」とか「誰かに話を聞いてもらう」とか、なかなかすぐに実践するには難しいものも…。
「思い切り泣く」というのも出てきましたが、悲しみに必死に耐えていた自分の心が崩れてしまうのが怖く感じましたし、妻の前では強がって泣けないというのもありました。
結局振り返ってみてもこれが効果的だったなと思う克服方法はありません。
もっと言うと、数ヶ月が経ち、こうして文字にすることができるようになった今でも「克服」はできたとは思っていません。
ときどきしずくの写真や動画を見返したり、ぼーっとしずくのことを思い出すと、今でもとても辛いです。
つまり、ペットロスは克服できない、というのが僕の持論です。
え、じゃあどうしたら良いの…?
「克服」ではなく「付き合う」
僕の印象としては、「克服」というよりも「付き合う」「共存する」に近いかも知れません。
心の中でペットを失った悲しみとうまくバランスをとりながら生きていくというイメージです。
悲しむ時は思い切り悲しむ、ペットとの思い出にとことん浸る。
何もその感情を消し去らなくても良いのです。
無理にその悲しい気持ちを消し去る、楽しい気持ちになる、前向きになる。もしそんな方法があったとしても、一時の気を紛らわすことにしかならず、根本的に解決はしません。
「克服しなきゃ」と思うよりも、まずは先ほどお話しした5つのペットロスの感情を自認して、自分が「ペットロス」を感じているということ自体を認めると少しだけ気持ちが楽になるかと思います。
むしろ「克服しなきゃ」と思ってしまうとそれだけでストレスがかかりますし、「克服」できない自分を責めてしまうことにも繋がりかねません。
悲しんで良い、辛くて良い。それだけペットを愛しているんです。
ペットとの出会い、暮らしに感謝する。

克服方法ではありませんが、僕が辛いときに思い浮かべるようにしていることを最後にご紹介します。
それは「ペットとの出会い、暮らしに感謝する。」ということです。
しずくとは偶然あの日あの場所で出会ったわけですが、ペットショップで出会っていても、譲渡会で出会っていても、それは奇跡といえるほどの出会いです。
そんな素敵な出会いがあったこと自体にまずは感謝するようにしています。
あの日出会ったこと、家族に迎え入れたこと、それはたとえこんなに悲しい結末になろうとも後悔はないはずです。
だからまずはあの日出会ってくれたことに感謝をしたいなと思っています。
そして、その後の暮らしでもペットはたくさんの癒し、愛情、笑い、幸せをもたらしてくれたはずです。
僕自身もしずくと暮らした6年間、たった6年かも知れませんが、しずくなしでは考えられないほどの幸せをもらいました。
いなくなってしまった今でも、写真や動画を見返したり、思い出話をしたりするなかで、しずくは私たちに癒しや笑いをくれます。
だから一緒に暮らしてくれて「ありがとう」と、そう感謝をするようにしています。
ペットロスはつらいもの。

ということで今回は僕自身の経験をもとにペットロスについて書いてみました。
しずくとの別れから4ヶ月経った今、この記事を書きながらも何度も込み上げるものがありました。
それでも生活は普通に送れるようになりましたし、当初の絶望感、虚無感、なにもできない日常からは戻ってこれたかなと思っています。
今回の記事で同じような経験をされた方に何か伝えることができたのかはわかりませんが、僕と同じように「ペットロス 克服」「ペットロス 立ち直る」と検索されている方には
「克服しなくて良いんだよ、立ち直れなくて良いんだよ。」
と伝えてあげたいです。それだけペットロスは辛いものですから。
悲しみに浸り、思い出に浸り、そしてペットとの出会いや暮らしに感謝をする。
それを繰り返していくうちに、「ペットロス」とは自分の中でうまく付き合えるようになるのではないかと僕は思います。
ではでは。
P.S. しずくはこれまでもこれからもずっと我が家の天使です。一緒にいてくれてありがとう。
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