『【磯焼け対策】ウニ拾いに参加してみた。海藻が..貝が..魚が..海から消えてしまう?』
こんにちは、ハヤトです。
先日、夫婦で「ウニ拾い」という珍しいイベントに参加しました。
その名の通り、あの黒いトゲトゲした「ウニ」を拾うイベントなんですが、このイベントの裏には、ある深刻な環境問題がありました。
なんと、ウニによって海の海藻が食い荒らされてしまい、海から魚がいなくなってしまうというのです。
ということで
今回の記事では、
深刻な磯焼け問題について、その対策「ウニ拾い」に参加してみた感想をお話ししていきたいと思います。
- 海が好きな人
- 磯焼けってたまに聞くけどなんなんだろう?
- 昨今の環境問題が気になる
そんな方には参考にしていただけるかと思います。
磯焼けとは?
まず今起きている「磯焼け問題」とは何かについてお話ししたいと思います。
「磯焼け」とはその名の通り、磯が焼けてしまうこと。
つまり、海藻が生えなくなってしまい、水中が砂漠のようになってしまうことを指します。
海藻が生い茂る藻場は、海の中で様々な役割を果たしています。
- 水質の浄化
- 水中への酸素の供給
- 魚の産卵場所、生育拠点
- 微生物、小型生物が集まり魚の餌となる
- 土壌悪化の防止
などなど。まさに海中のオアシスと言って良いほど、海中の豊かな環境を整えてくれています。
たしか、水槽で魚を飼う時にも海藻を入れたりしますよね。
海にはこの藻場があることで、魚はもちろん、貝類や海藻といった美味しい海産物を私たちは食べられているというわけです。
では逆にこの藻場がなくなってしまうとどうなるか…?
海の水質は悪くなり、海中環境の悪化で魚や貝がいなくなる。そして生態系のバランスも大きく崩れてしまう危険性があります。
海藻が生えなくなってしまう原因はというと、沿岸部の埋め立てや汚染物質の流出、海水温の上昇、摂食動物の増加など様々。現在各方面に対策が急がれています。
そしてなんとこの磯焼け問題、日本で全国的に起こっている問題なんです。
どんな対策をしている?
では具体的にどんな対策が行われているのか。
1つは新たな海藻が根付くように海藻のタネや海藻の栄養となるものを海中に投下するというもの。
中には製鉄時にできる副産物であり、主に土木工事に使われている「鉄鋼スラグ」と呼ばれる物を海に浸けて、海藻に鉄分を供給するという対策もあります。
そしてもう1つは、摂食動物の駆除です。
海藻を食べてしまう摂食動物としては、ウニが代表的ですが、実はブダイやイスズミ、アイゴなどの魚も含まれます。
ブダイはお刺身にしても美味しいみたいですが、イスズミやアイゴは独特な臭いがあるそう。そこで磯焼け対策としてはこれらの魚を加工食品にする取り組みが進んでいます。
ウニというと高級食材のイメージがありますが、海藻の少ない場所で育ったウニは身入りが悪く、そのままでは商品になりません。
そのため、これまでは漁師さんが潜って叩き割るという手法が主な対策でした。
しかし、最近ではそのウニも利用しようとする動きも出ています。
例えば、陸にウニの養殖設備を作り、身入りの悪いウニをその設備で商品になるまで育てるという方法。
こうすることで、漁師さんは身入りの悪いウニでも買い取ってもらうことができるので、漁の対象とすることができます。
面白いのはウニの養殖をする際に、餌としてキャベツやブロッコリー、柑橘類の皮などその地域の特産物から出る廃棄部分を与えるそうなんです。
これによりウニの味自体にも変化があるんだとか。
又、ウニの殻にはカルシウムやマグネシウムが多く、肥料としての適性があるようで、畑の肥料にする取り組みも進んでいます。
ウニ拾いに参加してみた。
ということで磯焼け問題で海では厄介者となっているウニ。
そのウニをみんなで拾おうという面白いイベントがあったので、先日夫婦で参加してみました。
1つ注意しなければいけないのが、いくら厄介者とはいえ、ウニにも漁業権があるということ。
このウニ拾いイベントは特別に近くの漁協から許可をもらって開催されていますが、普段磯でウニを見つけても、それを持って帰ると密猟となってしまいます。
波打ち際ぐらいの磯場で拾い始めた時は、「意外にいないなぁ…あんまり取れないんじゃない?」
という感じでしたが、この日は大潮。徐々に潮が引いて行きます。
すると…
めちゃめちゃいる!!
岩場の上に、陰に、石の周りに、ぎっしりです!
これは正直なかなか気持ち悪い光景…集合体恐怖症だったらきっと発狂してますね。
たしかに海藻が生えている場所には多くのウニも張り付いていて、海藻を餌にしているのだなと感じました。
又、この日はウニ採り用にトングと磯がね(先の曲がった細い鉄の棒)を貸してもらっているのですが、ウニを採るのには少しコツがいります。
岩場のウニは全て岩に張り付いているので、まず剥がす力が必要になります。さらに、岩場の穴や陰に入ってしまっているウニも多いのですが、そのウニを引き摺り出すのは至難の業。
しばらくしてコツを掴み始めるとペリペリっと岩から剥がす感じも快感になってきます。
結果、1時間で採れたウニはこんなに!
だいたい、3kgぐらいはあるでしょうか。
潮が満ちてきた為撤退となりましたが、まだまだ海中には沢山のウニが残されていて、少々名残惜しい感じも?
もちろん駆除しきるのは難しいのだと思いますが、この後また繁殖期が来ると考えると、もっと採りたかったなぁとも思います。
この日拾ったウニは肥料にされる予定でしたが、持ち帰りも自由とのこと。参加し慣れている人はクーラーボックスを持参していたり、持ち帰る用と持ち帰らない用に分けるカゴも持ってきていました。
僕たちも身が入っているのであれば持って帰りたいと思っていたので、早速割ってみることに。
え、結構入ってる!
磯焼けのウニはスカスカで食べられないというのをネットで見ていたので予想以上の身入りにびっくり。(5月の繁殖期前というのも関係あるかもしれません。)
もちろん販売されているウニやお寿司屋さんのウニと比べると小さいのですが、スプーンですくって食べられるぐらいには入っています。
結局、大きいのを20個ほどピックアップして持って帰ることに。
小さな個体は身も小さそうなので、肥料になるようにトラックで回収してもらいます。
早速家に帰って調理開始。
ウニを捌くなんて初めてなので、YouTubeで予習済みです。
キッチンバサミで口部分をカットして、その穴から殻に切れ込みを入れていき、割ります。あとはワタと糞を取り除いて、身の部分を取り出す。
後半は慣れてきましたが、なかなか手間のかかる作業でした。そりゃあウニって高いよなぁと(笑)
最終的には拾ったウニでウニ丼にしてみました。
「朝採れウニのウニ丼」。なんとも贅沢すぎる休日ランチです。
味はというと、全然売られているウニと遜色ありません。濃厚な味わいで、甘さをしっかり感じられます。
ウニといえば北海道のイメージがありますし、湘南の海で採れたウニだと臭みとかあるのかなと思いましたが、そんなものは一切感じられません。
これを1人200円の参加料で食べられるのはお得すぎるかも??(笑)
ウニ拾いは最高に楽しい磯焼け対策だった
ということで今回は磯焼け対策として開催されているウニ拾いに参加してみた話をさせていただきました。
地球温暖化の影響で水温が上がり、ウニが増える。そのウニが海藻を食べ尽くし、磯焼けが起こってしまう。
磯焼けは環境問題としてはとても深刻で、対策が急がれる問題です。
私たちが1時間ウニを拾うことでどれだけ磯焼けの対策に貢献できているかは分かりませんが、ウニ拾いというイベント自体はとても楽しいイベントでした。
大人になると夢中で磯遊びすることもなくなりますが、このウニ拾いには最終的にどの大人も夢中になっていました。
美味しいウニを食べられたというのももちろん大満足の要因ではありますが、拾うこと自体が楽しく、そしてその拾うことで環境問題に貢献できることにも充実感を覚えるイベントでした。
またぜひ参加したいイベントです。子供ももちろん参加できて、湘南エリアでは定期的に開催されているようなので、ぜひみなさんも参加してみてください。
ではでは。
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